RouterBoardでv6プラス 固定IPサービスの設定をしてみた

さて、今回は、JPNEが提供しているv6プラス固定IPサービスをRouterBoardで利用できるようにするには、どう設定しなければいけないかをまとめます。

ただのv6プラスだと、MAP-Eを使用しているので、今のところRouterBoardで設定できませんが、v6プラス固定IPサービスだと、JPNEのBorder-Routerに対してIPIPトンネルを張って利用するタイプなので、RouterBoardでも設定できます。IPIPトンネルを張って利用するタイプだと、似たようなのにインターネットマルチフォードのDS-Liteがありますね。

前提

  • ひかり電話あり(DHCPv6使用)
  • RouterOS v6.40.4
  • HGWを間にはさまずに、ONUから直接RouterBoardにLANケーブルを取り回した環境

契約

まず、そのサービスを契約しないと始まらないので、このあたりから申し込んでください。

設定

いつものように、Webfigを使った設定方法を記していきます。
CLIでの設定方法はこちらに載ってますが、少々設定の味付けが違います。

IPv6の設定

  1. IPv6 -> DHCP Client の Add New をクリック
  2. 必要項目を設定し OK をクリック
    • Interface : ONUから来ているPortを指定
    • Request : prefix
    • Pool Name : ご自由に
    • Pool Prefix Length : 64 (defaultのまま)
    • Prefix Hint : ::/0 (defaultのまま)
    • User Peer DNS : Check
    • Add Default Route: Check
  3. ページが一覧に戻るので、そこでPrefixを受け取っていることを確認する
  4. IPv6 -> Address の Add New をクリック
  5. 必要事項を設定し OK をクリック
    • Address : プロバイダから指定されたRouter ID (間違ったIDを指定するとIPIPトンネルが張られないのでご注意)
    • From Pool : 先ほど作ったPool
    • Interface : LAN側のInterface
    • EUI64 : No check
    • Advertise : Check
    • No DAD : No check
  6. 想定通りのIPアドレスが振られていることを確認する。

IPIPトンネルの設定

  1. Interface -> Interfaceタブ -> Add Newボタン -> IPIPv6 Tunnnel をクリック
  2. 必要項目を設定し OK をクリック
    • Name : それっぽく分かるものを
    • Local Address : 先ほど設定したIPアドレス
    • Remote Address : プロバイダから指定されたBoarder Router
    • IPsec Secret : none
    • Keepalive : none
    • DSCP : 0
  3. Interfaceリストに先ほど追加したInterfaceが追加されていること

IPアドレスの設定

  1. IP -> Address -> Add New をクリック
  2. 必要項目を設定し OK をクリック
    • Address : プロバイダから指定された固定IP prefixも一緒に指定する
    • Interface : 先ほど追加したIPIPv6 Tunnelインターフェース

Firewallの設定

IPv6のFirewall設定をしているのであれば、以下の項目を追加して下さい

  1. IPv6 -> Firewall -> Add New をクリック
  2. 必要項目を設定し OK をクリック
    • Chain : input
    • Protocol : 4(ipencap)
    • In. Interface : wan側のInterface
    • Action : accept

  3. 適切な場所に項目を移動する

NATの設定

  1. IP -> FIrewall -> NATタブ -> Add New をクリック
  2. 必要項目を設定し OK をクリック
    • Chain : srcnat
    • Out. Interface : 先ほど追加したIPIPv6 Tunnelインターフェース
    • Action : masquerade

Mangleの設定

この設定を入れないと、一部サイトにアクセスできなかったorz

  1. IP -> Firewall -> Mangleタブ -> Add New をクリック
  2. 必要項目を設定し OK をクリック
    • Chain : forward
    • Protocol : 6(tcp)
    • TCP Flags : syn
    • Action : change MSS
    • New TCP MSS : clamp to pmtu
    • Passthrough : check


Routingの設定

  1. IP -> Routes -> Routesタブ -> Add New をクリック
  2. 必要項目を設定し OK をクリック
    • Dst. Address : 0.0.0.0/0
    • Gateway : IPIPv6 Tunnelインターフェース
    • Check Gateway : ping
    • Type : unicast
    • Distance : 1 (環境に応じて良い感じに設定する)
    • Scope : 30 (default)
    • Target Scope : 10 (default)
  3. 先ほど追加したRouteがActiveである事を確認

通信テスト

  • Google public dnsなどにpingが通るか
  • あらゆるサイトにアクセスできるか

まとめ

私の環境だと、このように設定することでv6プラス 固定IPサービスを利用することができました。
手元のルータで、IPv6のアドレスをプロバイダから指定されたものを設定しないとIPIPトンネルが張れないというのが盲点で、2-3日悩みました。
これから設定する方は、ご注意ください。

PPPoEを使わずに固定IPを使えるのはなかなか画期的だと思うので、この環境を楽しもうと思います。

2 thoughts on “RouterBoardでv6プラス 固定IPサービスの設定をしてみた

  1. 万太郎

    はじめまして。
    こちらの情報を見て設定したら簡単にルーター構築でき、ipv4もipv6サイトも閲覧できました、どうもありがとうございました。
    ところで他ルーター(YAMAHA, Fortigateなど)のように、ipv6のプリフィックスが変わった時の検知と自動設定変更は可能なのでしょうか?

    Reply
    1. Hiroki Chinen Post author

      ちょっと難しいかなと思います。YAMAHAさんのようにフレッツ環境で使う前提で作られていないので、そこは人の手や、scriptを組んで補うしかないかなと思います。

      Reply

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